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目次 魔女の破片【自由】錆び付いたエンジン 【執着】潰れたお菓子 【傍観】すべすべニーソックス 【逃走】よれよれ頭巾 【待望】きりんのひげ 【傀儡】人形の木片 【騎士道】割れた甲冑 【虚栄】価値の無い絵画 【独善】刻まれた触手 【見栄】古びた下駄 【自棄】折れた槍 【無力】黄金の歯車 【慈悲】慈悲の紋章 【不信】枯れた薔薇 【憧憬】割れたブラウン管 【季節】灰色の季節 【開幕】汚れた栞 【敬愛】先の潰れた針 【盲目】赤い糸 【無知】真っ白なスケッチブック 【日常】雑用の腕章 【妄想】暗闇の残滓 【渇望】折れた牙 【束縛】ぷにぷにくきゅー 【寂しがり】ゼリー状の何か 【変革】麒麟の髭 【献身】銀のスプーン 【ご招待】朽ちたマスケット 【恋慕】錆びた剣 魔女の破片 【自由】錆び付いたエンジン 買取値 【60】 ソウルジェムダメージ+1、ダメージ判定+33【武器】 移動力+1【防具】 【執着】潰れたお菓子 買取値 【60】 ソウルジェムダメージ+1、ダメージ判定+33【武器】 最初に選択したアクションの補正+2、しかし以後それと退却以外のアクション不可【防具】 【傍観】すべすべニーソックス 買取値 【40】 成功【4~7】に【武器】 看破判定+1【防具】 【逃走】よれよれ頭巾 買取値 【20】 クリティカル時、対象をリザーブに戻す【武器】 撤退+2【防具】 【待望】きりんのひげ 買取値 【20】 ダメージ判定+11【武器】 待機時、チャージ+1【防具】 【傀儡】人形の木片 買取値 【100】 クリティカル時、相手1ターンスタン【武器】 被精神攻撃、心理+3【防具】 【騎士道】割れた甲冑 買取値 【140】 魔女防御-2、防御貫通【武器】 自分防御+2【防具】 【虚栄】価値の無い絵画 買取値 【20】 クリティカル【9~0】に【武器】 心理+1【防具】 【独善】刻まれた触手 買取値 【80】 ソウルジェムダメージ+1、ダメージ判定+33【武器】 単独戦闘時、補正+1【防具】 【見栄】古びた下駄 買取値 【80】 負傷付与時、戦闘不能に【武器】 戦闘不能時、一度だけ回復【防具】 【自棄】折れた槍 買取値 【100】 中距離攻撃時、ダメージ3倍【武器】 回避+5【防具】 【無力】黄金の歯車 買取値 不明 ダメージ5倍【武器】 ダメージ半減【防具】 【慈悲】慈悲の紋章 詳細不明 【不信】枯れた薔薇 買取値 【40】 単独行動時、ダメージ3倍【武器】 単独行動時、全ステータス+1【防具】 【憧憬】割れたブラウン管 買取値 【40】 魔法少女戦時、確率で攻撃対象に絶望判定を起こす【武器】 ソウルジェム最大値+1【防具】 【季節】灰色の季節 買取値 【20】 魔法少女戦時、心理ダメージ追加【武器】 ソウルジェム最大値+1【防具】 【開幕】汚れた栞 買取値 【20】 1ターン目、ダメージ2倍【武器】 ソウルジェム最大値+1【防具】 【敬愛】先の潰れた針 買取値 【60】 補正+【キュゥべえとの友好】【武器】 補正+【キュゥべえとの友好】【防具】 【盲目】赤い糸 買取値 【20】 補正+1【武器】 補正+仲間の数【防具】 【無知】真っ白なスケッチブック 買取値 【20】 補正-1、ダメージ判定+66、ソウルジェムダメージ+2【武器】 補正+3、看破不可【防具】 【日常】雑用の腕章 買取値 【20】 攻撃時、敵防御スキル無効【武器】 被攻撃時、敵攻撃スキル無効【防具】 【妄想】暗闇の残滓 買取値 【40】 ソウルジェム値が半分以上の時、反撃ダメージ+99。半分以下の時、全てのダメージ判定-66【武器】 防御解決時、ソウルジェム値が半分以上の時、チャージ+7。半分以下の時、ガードブレイク【防具】 【渇望】折れた牙 買取値 【60】 クリティカル時、与えたソウルジェムダメージ分スキルポイント獲得。対魔女時はダメージの1%【武器】 防御時、受けたダメージの10倍のスキルポイント獲得【防具】 【束縛】ぷにぷにくきゅー 買取値 【20】 攻撃成功時、次のターンの相手移動封印【武器】 防御+3【防具】 【寂しがり】ゼリー状の何か 買取値 【20】 仲間と一緒に戦う時、攻撃後に防御できる【武器】 仲間と一緒に戦う時、防御しながら攻撃できる【防具】 【変革】麒麟の髭 買取値 【200】 攻撃優先度+1、補正+2、ダメージ2倍【武器】 防御時、補正+2。相手失敗以下でスタン【防具】 【献身】銀のスプーン 買取値 【不明】 ダメージ2倍、ソウルジェムクリティカルが発生しない【武器】 防御時、ソウルジェムクリティカル無効【防具】 【ご招待】朽ちたマスケット 買取値 【不明】 遠距離攻撃時、ダメージ3倍【武器】 防御+5【防具】 【恋慕】錆びた剣 買取値 【不明】 近距離攻撃時、ダメージ3倍【武器】 反撃+5【防具】
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※ 相変わらず、異性装表現が含まれますので苦手な方、不快に思う方は自己防衛してください。 最早俺には、黙って頷くことしかできなかった。 私の無言のイエスにひとつ頷いた後、ロゼは優美な動作でソファから立ち上がる。 「よろしい。──さて、お前も納得ずくで御遣いを引き受けてくれたところで、潜入用の服は用意してある。御遣い先──ソルティレージュ嬢は今、魔法学院で世話になっているらしいからね。そこに行けば確実に会えるだろう。さあ、今着ている物を脱ぎなさい。私が手ずから着替えさせてあげようね」 話すうちに次第に言動が不穏なものを帯びてきたので嫌な予感はしていたが、それは直ぐに的中した。何処から取り出したのか、明らかに女物の学生服を手に、有無を言わせぬ勢いでロゼは俺に迫ってきた。 「ちょ、待ってください! 何故、俺にそのような格好をさせる必要があるのです!? 貴方なら男性用制服を手に入れる事だって簡単な筈だ!」 思わず後ずさったが、背後は直ぐにドア。俺はあっという間にロゼに追い詰められる。女性にしては少し背が高めのロゼに、口惜しいがまだ成長途上の俺では体格では叶わないし──それ以前に幾ら鍛錬をしていても、只の人間が"古き世代"の真祖に力で訴えられれば結果は推して知るべしだ。勝負以前に同じ土俵にすら立てない。 それでも容易く肌には触れさせまいと、俺は身に着けている体術の限りを駆使して立ち回る。──正直、父様や皆や目の前の本人が護身のためにと叩き込んでくれた技術を、こういう無駄遣いはしたくなかったが。 「ご明察。此方を用立てたのは、その方が面白いからに他ならない。それにね、私としては前々から言っているが、お前には礼服よりもドレスの方が似合うと思うのだよ。それを妥協して普段は許してやっているのだから、こういう時くらいは逆らわずに私の目を楽しませなさい。それとも何かね、お前はこれを着ない代わりに普段からドレスで過ごしたいというのかね?」 「断固断る!!」 リリアローゼの艶やかな金瞳は、半ば本気の色を称えていた。出たな。リリアローゼの悪癖二つ目め! 俺の乳母は美しいものは何でも寵愛するが、別けても幼い子供や歳若い少年少女が大好きで──好みの相手を己の趣味で着飾るのが好きで好きでたまらないのだ。俺は丁度ロゼの守備範囲真っ只中にいるようで、早く己に急激な成長期が来ることを願ってやまない。俺の格好も純然たる彼女の趣味だ。これでも妥協の結果だというから末恐ろしい。俺としてはもっと汚しても破いても問題ない、動きやすくて安い格好の方が良いというのに。 性的に倒錯した格好をさせる方がもっと良いというリリアローゼは、一度くらい日光を浴びて頭をさっぱりさせてくるといいと思う。"旧き世代"はそれくらいでは根本的にどうこうならぬと知っているからな! ソルティレージュ嬢には、できれば『特区』の民の良識を疑われるようなこんな醜態は見せて欲しくないものだが、……似姿でも伝わってきたあの美貌からすると目を輝かせるのだろう事は考えるまでもなく思い描けた。 「や、め、ちょ……かあさま、どこ触っ、や──!」 乳母の悪癖の発露に業を煮やしていると、年の功やら力の差で、リリアローゼの手は俺の防御をすり抜け、ともすればきわどい部分にまで触れてくる。そんな所は触らなくていい筈なのだが!? こんな時に"黒帳(ドゥンケルハイト)"が居れば幾らロゼが相手とはいえ、多少なりと跳ね除けられるというのに! こういう時に限って忠実な騎士剣は俺の手元から留守であった。 「相変わらず脱ぐのは苦手なようだから手伝ってあげようというのだ。ふふ、余り可愛い声をあげるものじゃあない。本当にいけないことをしたくなってしまうだろう? 永く生きても私とて命は惜しいからね。古竜の吐息を浴びるようなことはさせないでおくれよ?」 「ッ、戯れを! そもそも、かつて己が乳を上げたような相手に、そんなことを欠片でも考えないで頂きたい!」 「強ち冗談でもないよ。最近はお前も随分と"美味しそう"になってきたしね。熟れ過ぎて腐る前に摘み取るのも悪くないかと」 このペドフィリアが!! 思っていても、戦慄いた唇からはあまりのことに声も出なかった。 マントが先ず剥がされて床に落ちた。ついで手袋が剥ぎ取られ、リボンタイが解かれる。顕わになった首筋に、戯れめいて百花の唇が落とされた。それだけで背筋に、形容したくもない戦慄が背骨から腰下に向けてが走るのだから、存在その者が誘惑で出来ている真祖という奴は空恐ろしい。 「うん、この包み紙を解くようなじれったさが堪らないね……ねえ、フィー。食べてもいいかい?」 「──ぶち殺しますよ、"育ての母(ナニー)"!!!」 戯れでなくとも情人以外に身を任すほど、俺は貞操観念の緩い人間ではない! いかん。余りの呆れと怒りで、そろそろ言語を繕う余裕がなくなってきた。開かれたシャツの隙間から入ってこようとした手を、がっちりと掴んで留める。 俺の手の甲に浮いた淡い虹真珠の煌きで、乳母は俺の抵抗の本気具合を察したようだ。 俺は確かに只の人間だ。魔剣を使い、父様の目を与えられてはいても、根本的には人以外の何者でもない。なれない。普段は。 しかし、父様から『特区』と命と貞操の危機には──いや前者二つと最後のひとつを同列に並べるのはどうかと思うのだが──『奥の手』を使うことを許されている。 こんなお披露目は全く持ってしたくないのだが、"旧き世代"などといった規格外の存在に抗う手段というのはそう多くない。俺が覚悟を決めかけたところで、唐突にロゼは手を引っ込めた。 「こわいこわい、まあお前は棘の有り過ぎる薔薇だ。父親に、本人に、──後は、お前の魔剣たちは仮令合意の上でのことでも、悋気で串刺しにしてくれそうだからねえ? ……生半可な気持ちで手を出すのは止めておくよ。機嫌を直しておくれ? ああ、そうだ。私からも御遣いをしてくれるいい子にはご褒美があるというのを伝えていなかった。お前の気にしていた案件、『地上』の知人に通しておいたのだがね。お前とその件で話す席を設けて貰ったよ。ついでに行っておいで」 安堵にほっと息を吐く間もなかった。ロゼはどうしてそっちを隠したりするのか! 「──は? そういう重要なことは父様の手紙以前に先に言っておいてください!!」 父様が関わることは俺にとっての最重要項目だが、別段それ以外でだって重要な案件を持ち出されれば話を聞く余地はあるというのに。わざわざそっちを後出しにして、俺が複雑な思いをするだろう切り札を先に切る辺りは本当に性根が腐っている。 ぽかん、と目を丸くした後に思わず叫んだ私の顔が余程おかしかったのか。 リリアローゼは声を上げて、それはもう楽しそうに笑った。悪戯の成功した、子供のような顔だった。 所詮、二十年も生きていない俺では、この老獪かつ用意周到、己の愉しみの為なら何よりも全力を尽くす"旧き世代(アルハイク)"の思惑の糸から逃れられようはずもなかったのだ。 その後、俺がロゼの魔法のような手に残っていた衣服をあっという間に脱衣させられ、女物の制服を身に着けさせられたばかりか──薄化粧に香水と、彼女の趣味全開の"おめかし"の洗礼まで受けさせられたのは、正直思い出したくもない事実である。 ※ ※ ※ 「──そういう訳だ。ようするにロゼの盛大な暇潰しに付き合わされておる」 お前にもすまぬことをしているな、と疲労感と申し訳なさからかどんより曇った目をしてフィロさんは僕──ミケル向けの事情説明を締めくくった。盛大な溜め息のおまけも付く。 校内の喫茶室でお茶しながらかいつまんで聴いた話で、フィロさんのじょそ……もとい格好には一応の納得がいった。 つまるところ、フィロさんは多少無茶な頼みであってもNOといえない位には、そのリリアローゼというひとに頭が上がらないらしい。 「とはいえ、ひとりアルコ・イリスに暮らす真祖の少女を案じている、というのも嘘ではないのだろう。……あれで中々情の深い所があるのだ。それ以上に遊び心に溢れ過ぎている、が」 フィロさんは再度溜め息を吐いた。複雑な親愛と食傷が見て取れる。そういう顔をしていると本当に只の人間にしか見えない。いや、実際フィロさんは混じり気なく僕と同じ人間らしいのだけれど。 ──というか、人間だったのか、と。『特区』の内情の一部とか、"旧き世代"が地下で面白おかしく暮らしているとか、驚愕ポイントは余りにも多かったけどフィロさんの話の中で僕が一番驚かされたのは実はそこだったりする。てっきり魔物なのだと思っていたけれど、そうではなくて古竜の目を貰った人間なのだと──なら、どうして君は『特区』に? というのは流石に無神経すぎて聞けなかった。 「フィロさんも大変ですねえ……。まあこれでも食べて元気を出して下さい。そういえばどうして剣持ってかなかったんですか? 今も持ってないし。あの物々しい奴ですよね」 代わりに茶請けのクリームケーキを自分の分もどうぞと勧めながら、別のことをたずねた。 ぱ、と瞳が輝くのが解かった。フィロさんは甘いものがすごく好きみたいだ。喫茶室の甘味を気に入ったみたいでさっきから美味しそうに、その時ばかりは幸せそうにしていたのを思い出す。一口クリームを口に運んだ瞬間から、フィロさんのどんより加減は幾分マシになっていた。僕の質問にも答えてくれる。 「ん? ああ、ミケルに逢った時に佩いておったのは"咎討ち(ブラム・ノッカー)"と"黒帳(ドゥンケルハイト)"か。一本は留守番、もう一本は他の剣と共に術士の元に調律に出しておる。──それに、学院内で剣を下げてうろつく訳にも行くまい」 ケーキを食べ始めていたフォークと口を途中で止め、「幾ら地下暮らしが長いとはいえ、私とてその程度の常識は弁えている」とフィロさんは小さく胸を張った。 ──案外武器携帯してうろついている人も少なくないんですけどね、この学院。という事実はあんまり褒められたことでもないので、秘密にしておいた。 「それで、ミケル。私の事情は解かって貰えたならば……協力してもらえないだろうか? 礼と言えるほどの事はあまりできぬのだが」 申し訳なさそうに上目遣いに僕を見たフィロさん。そんな顔する必要ないのに。 僕は首を横に振ってから、安心させるように笑って見せた。 「いいですって。僕、前にフィロさんに助けられたようなものだし! 困った時はお互い様、でしょ? ……で、僕は何すればいいんですか?」 「ありがたい。……ミケルには、ソルティレージュ嬢の所に案内してもらいたいのだ。私は、流石に院内の詳しい配置やクラス分けなどは知らぬゆえ。一刻も早く手紙を届けてしまいたい。それまではこの情けない仮装を脱げぬからな!」 僕の言葉にほっとした様子から一転、急転直下。低くも血反吐を吐くような叫びだった。女装のままだからか、竜眼だという虹色の目の方が隠されているからか、少々迫力に欠けるが切実そう。僕にはどういう仕組みになっているかわからないのだけれど、御遣いを果たす前に脱いだら判る仕掛けになっているらしい。 こう言っては何ですが似合ってるから別に暫くそのままでもいいんじゃないですか。違和感なく校内に溶け込めるくらいには馴染んでますよ。 ……いや、言うのは辞めよう。何も僕が追い討ちをかける必要はない。言葉というのは時に鋭い刃になるのだから。 とりあえずもう一個ケーキを注文して、フィロさんに英気を養ってもらってから、僕らは喫茶室を出た。 「こっちですよ、フィロさん」 「ミケルは流石通い慣れているだけあるな。似たような部屋がこんなに多いのに」 ちょっと先立って連れて行っただけなのに、尊敬みたいな目を向けられると少し気恥ずかしいような、嬉しいような。 中庭でフィロさんがきょろきょろしていたのは、どうも学院の構造への戸惑いが強かったらしい。格好が格好だけに不審者扱いされたくなくて、誰にも話しかけられず困っていた所でたまたま僕が通りかかったとのこと。縁が結ぶ偶然ってあるものなんだなと、少し思う。 そんなこんなでフィロさんを案内して向かった先はハルトマン導師の教室。仮令ソルティレージュさんが留守でも、居場所の心当たり位は聞けるだろうと踏んでのことだ。 ──が、行ってみると何やら教室の周りに人だかりが出来ている。何かあったのだろうか? こういう風景を目にすると、『アルコ・イリス クロニクル』の雑用係にして新聞サークル員の血が騒ぐ。 「ちょっと失礼しますよー……って、えええええ!?」 人ごみを掻き分けて何の気なしに教室内を覗き込んだ僕は、目の当たりにした光景の予想外さに思わず叫んでしまった。くっついて来たフィロさんも少し目を丸くしている。 僕が見たのは、教室内に机や椅子がばらばら飛び散り、ひとらしきものが思いっきり床にめり込まされ、その傍らではソルティレージュさんがまるで汚物を見るような冷え切った眼差しを向けているという、まるで劇画のような光景だった。
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幸せの赤い翼――翼の種子のパッション(第1話 ラビリンスからの招待状) 「ワガナハ インフィニティ……ムゲンノ メモリーナリ……」 深夜のラブの部屋で、ボーっと淡い光を放つシフォンの体が浮かび上がる。 つぶらな瞳は理性の光を失い、愛らしい声は無機質な音声と化し、まるで命の無い機械人形のようだ。 「ん……なぁに? シフォン……。いけない! タルト、シフォンが!」 「わっ! 任しときぃ。クローバーボックスよ、頼むでぇ」 タルトがオルゴールを奏でると、光は消え、シフォンはすぅっと目を閉じた。 聖なるメロディが本来の人格を目覚めさせたのか、あるいはインフィニティを眠りに導いたのか。 自我を取り戻した……と言っても眠っていたらしいシフォンが、そのまま落下しかけるところを、ラブが危うく受け止めた。 「ラブっ! 今っ!」 異変に気付いたせつなが、ドアをノックもせずに飛び込んでくる。 ラブはシィーっと口元に指を当てた。 「もう大丈夫。元に戻って、そのまま寝付いたから」 「そう。よかった……」 小声で説明するラブに、せつながホッと胸をなでおろす。 「せやけど、いつまでこんなことが続くんやろうなぁ……」 インフィニティの覚醒は、それを望まないラブたちやシフォンにとっては悪夢でしかない。 いや、夢ならばいつかは覚めるだろう。しかしシフォンの場合は、クローバーボックスがなければ目覚めることはないのだ。 「どうして、こんなことに……」 ラブがシフォンを抱く腕に、少しだけ力を込める。 こんなにも良い子なのに、何の罪もない無垢な魂なのに、どうして幸せに暮らすことが許されないのか―― (ごめんなさい。ラブ、それにシフォン。みんな私がやったことよ……) せつなは辛そうな表情で唇を噛み、喉まで出かかった言葉を呑み込んだ。 本当は、ラブに詫びたかった。シフォンに償いたかった。全ての人に許しを請いたかった。 でも、そんなことをしても誰も救われない。謝ったところで自分の心が軽くなるだけで、その分みんなを困らせるだけだ。 「シフォンがインフィニティになったのは、不幸のゲージが満タンになったからよ。シフォンを救うにはそれを壊すしかないけれど……」 「占い館には、もう入れないんだよね?」 「せやなあ。それに、あそこにはノーザが居る。あいつは今までの敵とは違うで。何をしてくるかわからへん。迂闊に飛び込むんは危険過ぎるわ」 そうとも限らないけど――と言いかけて、せつなは口をつぐんだ。 ノーザは必ずしも占い館に滞在しているわけではない。本国で活動していた頃から、別の世界・空間にいくつもの研究室を構えていたのだ。今だって、どこから出入りしているかわからない。 しかし、それを話したところで、占い館には居ないことを保障してくれるものでもなかった。 「問題は他にもあるの。不幸のエネルギーは負の感情の集合体よ。怨念のようなもので、迂闊に解き放てば世界中に災いをもたらすわ」 「でも、壊さなきゃシフォンもこのままだし、ソレワターセも無限に生み出されるんでしょ?」 「ええ。それに、使った分の不幸のエネルギーを補充するために、今後も街が襲われることになるわ」 「壊しても、壊さんでも、どっちにしても問題山積みかいな。しかも壊す方法も見つからへん。八方塞がりやなぁ……」 明日、改めて話し合おうと約束して、せつなは自分の部屋に戻った。 もっとも、この相談は美希や祈里も交えて既に何度も行っている。そして毎回、何の解決策も出せないままだった。 暗い気持ちでせつなが布団に潜り込もうとした時、部屋の隅にある姿見がボンヤリと輝きを放った。 真っ平らなはずの鏡面が、まるで水面のように波紋を広げる。そして、その中心から筒状に巻かれた紙が飛び出してきた。 それは、クラインからの手紙だった。 【明朝、占い館の跡地にて、ノーザ殿がお待ちしております。イースとして、ラビリンスにお戻りなさい】 「今さら――何のつもりでこんなことを。馬鹿馬鹿しい……」 せつなは侮蔑の表情を浮かべ、その手紙をくしゃくしゃに丸めてゴミ箱に投げ捨てた。 その行為を見咎めるように、鏡が新たな光を放つ。鏡面がグニャリと歪み、居るはずのない者の姿を映し出す。 薄緑色のロングヘアーに、木の枝と双葉をモチーフとした髪飾り。美しくはあるが、同時に残忍さを感じさせる大柄の女性。 それは、せつなのよく知る人物だった。いや――忘れたくても忘れられない、脳裏に刻み込まれた恐怖の象徴。ラビリンスの最高幹部、その人だ。 「あなたは――ノーザっ!」 「フフフ、お前と呼ばないだけ誉めてあげる。でも、次からはノーザ“さん”と呼びなさい」 「どういうこと? こんな下らない誘いに、私が乗るとでも思ったの!」 「あ~ら残念だわぁ。でも、断ったりしていいのかしら。次に送り込まれるのも、無害な手紙とは限らないのよ?」 「人質を取って……脅しているつもり?」 「人聞きが悪いわねぇ。私はチャンスを与えてあげてるの。不幸のゲージを、壊したいんでしょう?」 「それは……」 どうやら、先ほどのラブたちとの会話まで聞かれていたようだった。ならば、この家の全てはラビリンスの監視下にあると考えて間違いない。 もし断れば、ラブやタルトやシフォンはもちろん、あゆみや圭太郎にまで災いが降りかかると言いたいのだろう。 「手紙の指示に従いなさい、イース。幹部として返り咲くも良し、捕虜として投降するも良し。ただし、仲間を連れて来るようなら――」 「どうなるというの?」 「あなたの大切な家が無くなるだけよ。跡形もなく、キレイサッパリとね。ウフフフ……」 「わかったわ。お願い、この家の人たちには手を出さないで」 肩を落とし、うつむいて震えるせつなを見つめて、ノーザは満足げに笑う。そう、ここまで言ってやれば、彼女にはもう選択肢は無い。 やがて姿見はただの鏡に戻り、部屋は再び暗闇に包まれる。 だが、せつなは絶望などしていなかった。 顔を伏せたのは、闘志に燃える瞳を隠したかったから。震えたのは、怒りが身を焦がしたから。両手は固く拳を握り、来たる戦いを待ち構える。 避けられない罠ならば、力尽くで踏みにじるまで! 既にせつなに迷いは無く、ノーザの抹殺と不幸のゲージの破壊に向け、全速力で思考を働かせていたのだった。 『幸せの赤い翼――翼の種子のパッション(ラビリンスからの招待状)――』 落ち葉の敷き詰められた早朝の森を、せつなはゆっくりと歩いていく。 朝日を浴びて金色に輝く紅葉。肌に吹き付ける冷たい風。美しいけれど、何かの終わりを感じさせる風景。 もうじき、占い館の跡地に到着する。そこには、幾重もの罠が仕掛けられているに違いない。 覚悟は出来ている。恐怖は無いが、緊張は極限まで高まっていた。 まだ薄暗い時刻に家を出て、やっと陽が昇ったばかり。昨夜はインフィニティの騒動でラブもタルトも寝不足のはずだ。自分の姿が無いことに気付くまでには、大分時間があるだろう。 巻き込む恐れがないと安心するべきなのか、助けが期待できないことを不安に思うべきなのか―― ドームのコンサートの一件以来、せつなは自分が犠牲になればいいという考えを捨てた。みんなと一緒に、幸せになりたいと願って戦ってきた。 そんなせつなの心を再び蝕んだのが、満タンになった不幸のゲージの存在だった。 シフォンから平穏な生活を奪い、外出の自由すら失われた。毎日のように強力なソレワターセが襲来し、全員がクタクタに疲れ果てた。 インフィニティの覚醒の間隔は日増しに狭まり、とうとう自分たちの居場所まで突き止められた。 守りに徹するのも、もう限界に近いことを感じる。 目的地まで、あと数メートル。そこで強烈な悪寒を感じて、せつなは足を止める。 背景から突然抜け出したかのように、ノーザが静かに佇んでいた。 「早かったわね。どちらを選ぶか、決断はできたのかしら?」 「ええ、もう迷いは無いわ」 「いい返事ねぇ。あなたの答えがとても楽しみだわ」 ノーザは右手を翳して時空の扉を開き、占い館を出現させる。案内など不要とばかりに、せつなは館へと足を進めた。 二人の姿が建物内部に消えた後、再び館はその姿を隠したのだった。 せつなは他の設備には目もくれず、真っ直ぐに不幸のゲージの間を目指す。ノーザもまた、それを止めようとはしなかった。 不幸のゲージは円柱状の強化ガラスで作られており、無数の計器が備えられている。占い館の地下から天井近くまで、支柱のようにそびえ立つのだ。 各階層でそれぞれの部屋と繋がっていて、どこからでも監視が出来るようになっている。逆に言えば、そのくらい注意しておかねばならないほどに、危険なものでもあった。 濁った黄色い液体が、巨大な容器を満たしている。液状化しているものの、その正体は強大な負のエネルギー。怒りや悲しみが凝縮された、怨念のようなもの。 この内の一滴だけで、人間一人を狂わせてしまうほどの力を持っている。 それが……これだけの量だ。一体、これまでラビリンスは、どれほどの人々の幸せを奪ってきたのだろうか。どれだけの嘆きと悲しみを与えてきたのだろうか。 「綺麗でしょう? あなたが精一杯頑張って、人々の不幸を貯めたゲージよ。嬉しいわ。私、あなたにお礼が言いたくて仕方なかったの」 「そうね。この嘆き悲しみを集めたのは、この私。メビウス様がしもべ――イース」 「理解できたようね。寝返ったところで、犯した罪は決して消えない。あなたはこの世界の人間の敵よ。その上、メビウス様に逆らえば、ラビリンスにとっても敵。全てを敵にまわして、あなたは何のために戦うのかしら?」 「ええ。もっと早く、ここへ帰ってくるべきだった……」 「大丈夫、今からでも遅くはないわ」 「……もっと早く、わたしが集めた不幸のゲージを! 全ての元凶を! 破壊しにくるべきだったのよ!!」 怒りに全身を震わせて、せつなが叫ぶ。 「お馬鹿さんねぇ。満タンになったゲージを壊せるのかしら? そんなことをすれば、あなただけじゃない。この世界の全てに不幸が襲いかかるのよ?」 「今なら、館は異空間にあるわ。ここから出さなければいい。それに、ノーザ! あなたも道連れにできるっ!」 「交渉決裂ね。いいわ……その方が楽しめるもの」 ノーザが数本の蔦を伸ばしてせつなを襲う。しかし、標的が不幸のゲージを背にしているため、その攻撃には切れがなかった。 蔦がせつなの身体に迫った瞬間、残像を残してその姿が消える。そして一閃! 赤い光が、ノーザとせつなを繋ぐように駆け抜けた。 「なっ! 疾いッ!!」 「はあぁぁ――っ!!」 せつなは、いや、一瞬の間にキュアパッションへと変身した彼女は、ノーザの背後に回りこむ。 辛うじて間に合ったガード。渾身のパンチを両手で受けて、ノーザは大きく後退する。今度は、ノーザがゲージを背にする番だった。 「吹き荒れよ! 幸せの嵐! プリキュア・ハピネス・ハリケーン!!」 「おのれっ!!」 ノーザは右手を横に伸ばし、床に這う植物を操った。それはノーザごとゲージを覆い隠し、ハピネスハリケーンのエネルギーを弾き返す。 そう! 防いだだけではなくて、跳ね返したのだ。 「フハハハハ……残念だったわね、キュアパッション。これはソレワターセなの。生まれたての苗じゃなくて、こぼれ出た不幸のエネルギーで育った大株よ。自分の技を喰らって倒れるがいい!」 ハピネスハリケーンの真っ赤なハートが暗黒に染まる。不幸の嵐となって、キュアパッションに牙を剥く。 彼女の技は、プリキュア唯一の空間範囲攻撃でもある。逃げ場を失ったパッションは、無数の黒色のハートの攻撃に晒されて―― 技の力が消え去った後には、何も残らなかった。 「これは――どういうこと!?」 「こういうことよっ!」 「しまった! ぐがっ……」 ノーザの頭上に赤い光が発生する。その直後に首が、恐ろしい力で締め上げられる。 ハピネスハリケーンが通じないのはわかっていた。パッションは反撃を利用して姿を隠し、瞬間移動でノーザの隙を突いたのだ。 「おのれ……離せ!」 「私だって、ラビリンスだった。全ての人を恨むつもりなんてない。だけど、あなたは危険すぎる。ここで倒させてもらうわ!」 「倒す? お前ごときが、このノーザを倒すですって?」 「確かに、まともにやりあえば勝ち目なんてない。だけど、ここならっ!」 全ては計画通り。ここまでは想定の範囲内であり、次が用意した最後のカードでもあった。 パッションは、ノーザを拘束する力を更に強める。 「まさかっ! お前はっ!」 「他人の不幸は蜜の味……なのよね? たっぷり味わうがいいわっ!」 パッションとノーザの二人の身体が、赤い光に包まれる。アカルンの力によって粒子と化して跳ぶ。 不幸のゲージのガラスの壁を越え、その中身を目指して―― ウエスターとサウラーが館内部での戦闘に気付き、不幸のゲージの間に駆けつけたのは、それからしばらく経ってからのことだった。 不幸のゲージは無事だった。ノーザは服装を乱したまま、疲れた様子で肩で息をしている。 そんなノーザの姿を見るのは、二人にとってももちろん初めてのこと。 そして、その足元で倒れているのは―― 「イース! お前、イースじゃないか!? どうしてここに!」 「説明していただけますか? ノーザさん」 ウエスターがパッションを助け起こす。どうやら気を失っているようだった。 「仲間に戻りたいと言うから中に入れてあげたのだけど、裏切られた。それだけのことよ。再教育するから、私の部屋に運んでちょうだい」 「ですが、管理データーの書き換えは本国でしかできないはずです。それなら一度帰還して――」 「おお、そうだとも! また三人で……いや、四人で一緒にやろうじゃないか」 「生憎だけど、私には私のやり方があるの。もちろん、メビウス様への忠誠は取り戻してもらうけど……その前にやることがあるでしょ?」 「やること、とは?」 「決まってるじゃない。――制裁よっ!」 ノーザは凶悪な笑みを浮かべて、舌なめずりをする。多少手こずりはしたものの、この展開は狙い通りだった。 万が一にも、イースが自らの意志でラビリンスに戻る、などと考えていたわけではない。 「他人の不幸は蜜の味。イース……あなたとプリキュアどもの不幸は、一体どれほど美味しいのかしらね」 ノーザは一足先に部屋に戻り、イースの受け入れと、ある計画の準備を進める。 仲間を一人失うことで、プリキュアはソレワターセへの対抗手段を失う。だが、それだけでは全く足りない。 計測できないほどの力を持つインフィニティを確実に捕えて、プリキュアを完膚なきまでに叩きのめす。もう二度と、メビウス様に歯向かえないように。 その上で、自分の嗜好を満たせるならば、それこそ最高ではないかと―― 「うっ、うう……、うああああ……。うっ、ああっ、ぎっ、うっ、うっ、……っああああ!」 占い館の全館に、イースの声と思われる絶叫が響き渡る。悲鳴と呼ぶには、あまりにも痛々しい喚き声。聞いているだけで、全身が凍りつくような苦悶の声。 それが、かれこれ半日も続いていた。喉が潰れたのだろうか、最初は大きかった声が、ずいぶんと掠れて小さくなっている。 しかし、苦痛が治まったわけではないことが、変わらず聞こえる荒い呼吸から感じ取れた。 ウエスターとサウラーは、申し合わせたように会議室に集まっていた。 何のことはない。ただ、一人で聞いているのは辛くて、じっとしていられなくなったのだ。 「ええぃ! ノーザのヤツは何を考えているのだ。イースは仲間だろうがっ! 何のためにここまで痛めつける必要がある!」 「イースは自分の意志で、メビウス様の管理を退けたんだ。再び管理したところで、また同じことになるかもしれない。だから心を折るつもりなんだろう」 「何を冷静に解説してる! お前はそれで平気なのか?」 「平気じゃないなら、どうすると言うんだい? わざわざイースの声を僕たちに聞かせているのは、見せしめの意味もあるはずだよ」 ウエスターはサウラーの胸倉を掴んでいた腕を外し、背を向けて部屋を出て行く。 「どこに行くつもりだい?」 「決まっているだろう? ノーザに抗議してくる!」 どうやって……と言いかけて、サウラーは結局黙り込み、そのままウエスターを見送った。 ノーザの部屋は空間的に切り離されていて、自由に行き来できるのは本人だけだ。こちらからは用があっても連絡すら取れない。 (だが、それを言ったところでどうなる? 無駄な時間を使っているのは、何もウエスターだけじゃない……) 部屋には変わらず、イースの叫び声が響いている。 サウラーは苦い顔でコーヒーを啜り、再び手に持った本に目を落とした。しかしいくら文字を追っても、内容は全く頭に入ってこなかった。 ノーザの自室兼、研究室。さほど大きくない部屋の中には、ノーザ自らの手で改良した幾多の植物が生息している。 いや、この室内そのものが巨大な植物の一部であり、壁も床も天井も、生きた樹木で作られていた。 占い館の一室ではなく、本国に在るわけでもない。空間を自在に操り、どこでも瞬時に移動できるノーザだからこそ使えるスペースであった。 「……っ……ぁ……」 その部屋の片隅から、小さな声が発せられる。壁から伸びた茨の蔦に、四肢を拘束された少女。 さっきまで気を失っていた子が、短い眠りから目を覚ましたのだ。 ミディアムレイヤーの黒髪に、紺のベストとスカート、赤いカットソー。 それは、この世界の人間の姿であり、今となっては少女の本来の姿でもある。名を―― 「さあ、休憩はお終いよ。続きを始めましょう。あなたの名前と所属を話してごらんなさい」 「私の名前は……東せつな。元、ラビリンスのイースで、今は四人目のプリキュア、キュアパッ……ああああ――っ!」 名乗りを終える前に、少女が苦痛の余り絶叫する。可憐な容姿を歪ませて悶える姿を、ノーザはうっとりと眺めた。 少女の頬に手を当てて、そのまま顎まで指を滑らせる。うつむいた面を無理やり持ち上げて、怒りの篭った反抗的な目を楽しそうに見つめる。 「強情な子は好きよ、イース。あなたはどこまで私を楽しませてくれるのかしら?」 「苦痛……なんかで、お、お前の言いなりには、ならないわ……」 「それは楽しみねぇ。その痛みは、ナキサケーベ召還に伴う痛みと同じよ。懐かしいでしょう? ただし、肉体は傷付かず、命が削られることも無いけれどねぇ」 「ずいぶんと……優しいのね……」 「フフフ……当然よ。そうでなくては、長くは楽しめないでしょう?」 ノーザはニヤリと妖艶な笑みを浮かべると、少女から手を離した。 「呪いなさい、イース。自分をこんな目に合わせた、己の愚かさを。あなたが苦しんでいる間にも、街は笑顔で溢れているわ。理不尽な、この世界そのものを憎みなさい。あなたを救うのは、メビウス様への忠誠だけ」 「……私は……ぎゃ、二度と、うっ……幸せを、う、奪ったり……しない。ぎっ……ぐっ、あああ――っ!」 少女を拘束する茨の蔦が、どんどん伸びて全身を覆っていく。苦痛は更に激しさを増し、再び少女は気を失った。 「誰が寝ていいと言ったのかしら?」 ノーザは嗜虐的な笑みを浮かべ、手元の計器に手を伸ばす。少女の意識を強制的に覚醒させようとする。 が、それを邪魔するかのように、部屋に警告音が鳴り響いた。占い館の内部モニターを殴りつけて、破壊しようとしている男がいるのだ。 ノーザは舌打ちすると、仕方なく空間の扉を開き、その男の前に立った。 「ウエスター君。これはどういうつもりかしら?」 「それはこちらのセリフだ、ノーザッ! お前こそ、何のために仲間を傷付ける!?」 ウエスターは怒りの形相でノーザに詰め寄る。襟元を両手で掴んで、吊るし上げようとして―― 「そんな――馬鹿なッ! このオレが力で……!」 ノーザは子供の手を捻るかのように、易々とウエスターの拘束を解く。逆に関節をねじ曲げて、力づくで床に這わせた。 「私のことは、ノーザさんと呼ぶように言ったはずよね? ウエスター君。あなたにも再教育が必要かしら?」 「教えて……ください、ノーザさん。こんなことに、何の意味があるんですか……」 「いい子ね、最初から素直にそう言えばいいのよ。イースはね、偉大なるメビウス様に恥をかかせたの。再教育の前に、それを死ぬほど後悔させるのが筋でしょう?」 「だが心を壊してしまえば、それはもう人形と変わらん。イースが幹部である理由もなくなってしまうのだぞ?」 「ええ、そうならないように加減が必要ね。あなたに免じて、イースを少し休ませることにするわ」 ノーザはウエスターの手を離し、部屋とは別の空間を開く。 「どこへ行くんだ? ノーザ……さん」 「本国に用事を思い出したの。少しの間だけ、イースが逃げないように見張っておきなさい。これは命令よ!」 「承知――した」 ノーザが姿を消したのを確認すると、ウエスターはズカズカと彼女の私室に上がり込んだ。 イースは壁の中ほどに、両手を広げて十字の姿勢で吊り下げられていた。 気を失っているにも関わらず、ピクピクと時折痙攣する。恐らくは、意識の無い状態でも苦痛が続いているのだろう。 艶やかで美しい黒髪は、ベッタリとした汗で顔に無残に張り付いている。茨の棘が肌に突き刺さり、蔦がギュウギュウと締め付けている。 「待っていろ、すぐにここから出してやる」 蔦に触れたとたんに、おぞましいほどの激痛が、電撃のようにウエスターの腕にも伝わった。 しかし、ウエスターは一瞬表情を歪めただけで、黙々と蔦を引きちぎっていく。全てを外し終えると、少女を抱えて部屋から飛び出した。 小さな腰を右腕で支え、肩にもたれさせるように担いで、疾走と呼べるほどの速度で館の出口を目指す。ノーザが、いつ戻ってくるかわからなかったからだ。 そんな様子を、二人の人物が見つめていた。 その内の一人はサウラー。見なかった事にするかのように会議室のモニターを切り、一層苦い顔でコーヒーを飲み干すと、次元の壁を操作して館を森に出現させた。 もう一人は――本国に戻ったはずのノーザだった。 彼女は満足げにクツクツと笑うと、楽しそうな、それでいて凄みのある表情で、ウエスターと、まだ意識の戻らない少女を見送った。 幸せの赤い翼――翼の種子のパッション(せつなを取り戻せ)へ
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test -- (保全委員会ちゃん) 2015-06-07 18 54 32
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あの夏のヒーロー 選手名 球団名 コスト メイン守備 初期値 MAX値 数値合計 打撃or球威 走力or制球 守備or変化 打撃or球威 走力or制球 守備or変化 杉内 俊哉 ソフトバンク 12 先発 243 350 375 583 840 900 2323 斎藤 佑樹 日本ハム 6 先発 553 627 615 1795 菊池 雄星 西武 1 先発 257 201 230 654 386 483 1523 寺原 隼人 オリックス 10 先発 285 290 300 684 696 720 2100 田中 将大 楽天 13 先発 285 360 350 684 864 840 2388 大嶺 祐太 ロッテ 2 先発 243 155 175 670 427 483 1580 平田 良介 中日 10 左翼手 275 280 263 660 672 631 1963 由規 ヤクルト 7 先発 302 179 201 705 521 576 1813 辻内 崇伸 巨人 2 先発 261 150 175 720 414 483 1617 久保田 智之 阪神 5 中継 241 240 200 602 600 500 1702 福井 優也 広島 4 先発 255 170 225 663 442 585 1690 石川 雄洋 横浜 9 遊撃手 218 405 268 525 972 643 2140
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バンプレスト(現バンダイナムコエンターテインメント)より発売された、 アクションRPG『カスタムビートバトル ドラグレイド2』に登場するキャラクター。 操作キャラとして実装されたのは『2』だが、前作で主人公ヒビトを助けたグラッパーとして登場していた。 武器はソードで属性は光。「ライトソードβ+」というテーマ曲を持つ。 世界的に有名なメジャーグラッパーの青年であり、事故が原因で引退したかつてのライバルであるキングの招待で、 G-1メジャーグランプリに参戦するが、試合を進めるうちに、大会の裏で何らかの暗躍が行われている事に勘付き……。 攻撃範囲が優秀なキャラで、特にビートドライヴでは自動で敵を追い通常攻撃を行う分身を出現させ、自分と一緒に挟撃できる。 一方、他のキャラより喰らい判定が大きめで、シンプルな技ばかりなので、単騎では立ち回りが読まれやすい。 ビートドライヴをどう活用するかがカギとなる。 MUGENにおけるクロス Ryon氏による新MUGEN専用のキャラが公開中。 ドットは原作のものが使用されているが、性能は格ゲー風にアレンジされており、 エフェクトも2015年の更新で別ゲーのものへ差し替えられている。 遠近共に優秀な攻撃範囲を持つが、特に炎や十字架状のエネルギーを落とすなど、遠距離攻撃が充実している。 ただしその分ゲージの燃費が悪く、いかにゲージを稼ぐかが重要となる。 AIもデフォルトで搭載されている。 DLは下記の動画から 出場大会 「[大会] [クロス]」をタグに含むページは1つもありません。
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武装戦線(Grp:五代目武装) 全MAX時/コスト順 キャラクター名 コスト スキル名/スキル Lv 攻撃 防御 合計 その他 EX+ 武田好誠 18 冷静と情熱の髑髏/武装攻撃12% 60 8235 8235 16470 招待特典 柳臣次 18 真・継承する髑髏+/五代目防御17% 60 7995 7905 15900 招待特典 稲田源次 17 髑髏の絆+/武装攻撃12% 60 6825 8130 14955 招待特典 EX 武田好誠 17 静かに燃える髑髏/武装防御10% 50 8150 6840 14990 招待特典 武田好誠 16 静かに燃える髑髏/武装防御10% 50 7470 6780 14250 招待特典 柳臣次 16 真・継承する髑髏/五代目防御15% 50 5630 7550 13180 招待特典 稲田源次 15 髑髏の絆/武装攻撃10% 50 5090 7380 12470 招待特典 武田好誠 5 - 20 4890 4610 9500 招待された側の特典 柳臣次 4 - 20 3890 4130 8020 招待された側の特典 SR+ 玄場寿 70 10200 10410 20610 ガチャ 本気SR 武田好誠 21 冷静と情熱の髑髏+/武装攻撃14% 60 期間限定ガチャ 河内鉄生 19 セニドクロ+/武装防御14% 60 9108 10032 19140 期間限定ガチャ 玄場寿 19 静かなる爆弾+/武装防御14% 60 9361 9147 18508 ガチャ 稲田源次 18 ドケチな鬼軍曹+/武装防御14% 60 8261 9845 18106 期間限定ガチャ 柳臣次 18 継承する髑髏/武装防御12% 60 8525 6358 14883 イベントクリア報酬 鈴木信之介 16 武装の誇り+/武装防御14% 60 7854 7700 15554 ガチャ 茂木誠 16 武装の誇り+/武装防御14% 60 6732 8668 15400 ガチャ 広田聡 16 武装の真髄+/武装攻撃14% 60 ガチャ SR 武田好誠 21 冷静と情熱の髑髏/武装攻撃12% 60 9550 9010 18560 期間限定ガチャ 河内鉄生 19 セニドクロ/武装防御12% 60 8280 9120 17400 期間限定ガチャ 玄場寿 19 静かなる爆弾/武装防御12% 60 8510 9340 16850 ガチャ 稲田源次 18 ドケチな鬼軍曹/武装防御12% 60 7510 8950 16460 期間限定ガチャ 柳臣次 18 - 60 7750 5780 13530 イベントクリア報酬 広田聡 16 武装の真髄/武装攻撃12% 60 7140 7000 14140 ガチャ 鈴木信之介 16 武装の誇り/武装防御12% 60 7140 7000 14140 ガチャ 茂木誠 16 武装の誇り/武装防御12% 60 6120 7880 14000 ガチャ 本気R+ 武田好誠 19 冷静と情熱の髑髏+/武装攻撃14% 50 9405 8877 18282 ガチャコンプ 柳臣次 18 継承する髑髏+/武装防御14% 50 8630 9158 17788 シートコンプ 河内鉄生 18 武装の結束/武装防御10% 50 8283 9141 17424 期間限定ガチャ 柳臣次 17 武装防御の結束/武装防御10% 50 7854 8316 16170 ガチャ 甲斐泰典 17 トラウマを越えて/武装攻撃14% 50 9290 6650 15940 イベントランキング報酬 武田好誠 16 静かに燃える髑髏+/武装防御12% 50 6782 8910 15692 招待特典 稲田源次 16 武装の闘魂/武装攻撃10% 50 6369 8877 15246 ガチャ 玄場寿 16 武装の闘魂/武装攻撃10% 50 7689 7541 15230 ガチャ 戸川将太 16 武装の結束/武装防御10% 50 8465 6320 14785 期間限定ガチャ 甲斐泰典 16 武装の闘魂/武装攻撃10% 50 8811 5825 14636 ガチャ 加賀谷隆史 15 武装の情熱/武装攻撃8% 50 6072 8135 14207 期間限定ガチャ 茂木誠 14 武装の団結/武装防御8% 50 5742 7409 13151 ガチャ 鈴川信之介 13 武装の団結/武装防御8% 50 6435 6303 12738 ガチャ 広田聡 13 武装の情熱/武装攻撃8% 50 6188 6072 12260 ガチャ 室田賢三 13 武装の情熱/武装攻撃8% 50 6864 5115 11979 ガチャ 川地幸吉 13 武装の団結/武装防御8% 50 5231 6749 11980 ガチャ R+ 武田好誠 19 冷静と情熱の髑髏/武装攻撃12% 50 8550 8070 16620 ガチャコンプ 柳臣次 18 継承する髑髏/武装防御12% 50 7845 8325 16170 シートコンプ 河内鉄生 18 - 50 7530 8310 15840 期間限定ガチャ 柳臣次 17 - 50 7140 7560 14700 ガチャ 甲斐泰典 17 トラウマを越えて+/武装攻撃12% 50 8445 6045 14490 イベントランキング報酬 武田好誠 16 静かに燃える髑髏/武装防御10% 50 6165 8100 14265 招待特典 稲田源次 16 - 50 5790 8070 13860 ガチャ 玄場寿 16 - 50 6990 6855 13845 ガチャ 戸川将太 16 - 50 7695 5745 13440 期間限定ガチャ 甲斐泰典 16 - 50 8010 5295 13305 ガチャ 加賀谷隆史 15 - 50 5520 7395 12915 期間限定ガチャ 茂木誠 14 - 50 5220 6735 11955 ガチャ 鈴川信之介 13 - 50 5850 5730 11580 ガチャ 広田聡 13 - 50 5625 5520 11145 ガチャ 室田賢三 13 - 50 6240 4650 10890 ガチャ 川地幸吉 13 - 50 4755 6135 10890 ガチャ R以下製作中m(_ _)m 素材カード出現エピソード 現在製作中m(_ _)m
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名前 画像 魔王のレベル イケメンになーれ★の前景2 34 動く猫しっぽ ブラック 26 お花見ぱたぱたうさぎ ブラック 49 ぐーすかいねむり魔犬 ブラック 36 クレリック風リボンシャツ 32 タロットカード デス ブラック 57 ばんそうこうペンギン ブラック 60 ブルジョワボーイズニットA 50 ふわふわゴースト ブラック 57 女神のブーツ ブラック 33 メタルナイトマント 60 メッシュシャギーロング 31 リゾートセクシービキニA 47
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くろと 神話 ギリシャ神話における、運命を司る三姉妹の女神。 長女クロトのほか、次女ラケシス、末妹アトロポスの三人姉妹で、一括りに「モイライ」とも呼ばれる。 同じく運命を象徴する三姉妹の女神・ノルンのうち、ウルズに対応する。 三人は、人間や神々の寿命や運命を「糸」に例えて管理しており、このうちクロトは運命を象徴する糸を「紡ぐ役目」を担う。 性能 初期Lv.38 ガルーラ(初期) チャームディ(初期) 疾風ブースタ(習得Lv.40) 動揺防御(習得Lv.41) メパトラ(習得Lv.42) マハガルーラ(習得Lv.44) 火炎弱点 疾風無効 関連項目 ラケシス アトロポス
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BD-BOX BD-BOX 【2016.12.22】発売 36,000円 ●情報(公式サイト限定版) ◆公式サイト限定版特典 ・いのまたむつみ・藤島康介・奥村大悟・岩本 稔描き下ろし高精細ポートレート4枚 ・特典Disc(Blu-ray) ・特典Disc(CD)「Tales of Zestiria the X」Special Music CD ・特製2面ジャケット ・特製収納BOX ◆共通特典 ・特典Disc(Blu-ray) ・『テイルズ オブ アスタリア』、『テイルズ オブ リンク』コラボイラストカード ・特製ブックレット ・Blu-ray BOX購入者限定イベント「無料招待券」「配信視聴券」 など… 参考リンク(テイルズチャンネル+)